亭主関白の意味を正しく理解しよう~関白・豊臣秀吉との関係は?

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亭主関白とは、結婚した夫、すなわち「亭主」が「関白」のような振る舞いであることから、生まれた言葉です。
要するに家庭では、奥様のよりも「いばっている」ご主人のことを亭主関白と呼ぶわけですが、そもそも亭主関白の意味は、どのような経緯から生まれた言葉だったのでしょうか?
少し詳しく調べてみました。




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まず「関白」(かんぱく)と言うのは、戦国時代で天下を取った豊臣秀吉の官名として良く知られます。
ただし、そもそも「関白」と言うのは、天皇の代わりに政治を担当する官職の名称で、歴史上で豊臣秀吉だけが関白になった訳ではありません。

天下を統一した豊臣秀吉は、朝廷から日本の政治を任せてもらうために、関白に就任しました。
関白の役職は藤原氏や五摂家と言う公家しかなれなかったので、近衛前久の養子になる形で就任したのですが、武家(武士)が朝廷の関白に就任したのは初めての事(異例なこと)で、豊臣秀吉とその関白職を継承した豊臣秀次しか、武家では関白になっていません。
※徳川家康は征夷大将軍。

このように、権勢を誇った豊臣秀吉でしたが「亭主関白」の意味としては、基本的には「威張っている」と言うことになります。
豊臣秀吉が威張っていたと、私が申し上げることではありませんが、このように時の関白は絶大な権力をもっていたわけですので、なんでも言うことを聞くように、あれこれと指図していたようです。
それが、庶民からしてみれば「関白は、いばっている」と見えたことでしょう。
このことから、家庭内で威張っている亭主のことを、まるで「関白」のようだと言うことで「亭主関白」と表現するようになりました。
※豊臣秀吉が威張っていたから亭主関白が生まれたとする説以外にも諸説あります。

ご主人様が威張っているのを亭主関白と言う反面、奥さま(妻)の方が威張っている場合には「かかあ天下」(かかあでんか)と言います。

ただし、かかあ天下の場合には、最初、女性の方が威張っていたと言うことではありませんでした。

かかあ天下は、もともと上州・群馬で生まれた言葉ですが、うちのかかあは働き者で天下一だという意味で、女性の活躍が素晴らしいと褒めた言葉でした。
しかし、群馬の人々は気が荒い気質もあったので、このように力を持つ女性のことを、いつしか、気が強い奥さんの代名詞として使うようになり「かかあ天下」の意味が変わってしまったようです。

亭主関白に憧れる男性は多いと言いますが、亭主関白と、かかあ天下、どちらもあまり強すぎると、色々と家庭内の問題が生じやすいのも事実でございますので、何事もバランスが大切です。
また「亭主関白」と言う言葉が、男女平等となった日本で、いつまで通用するのか?、それも気になるところです。

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